一人静【完】

夏休み







「来たね〜」


「楽しみ!」


「やっふー!」



ついに、来てしまった。



「………暑い」



キラキラと輝く水面

砂浜を熱くする太陽

体がぶつかってしまうほどの人混み

キャピキャピとはしゃぐ多くの人達





…海。



「……」


「ひなちゃん、ほら!テンション上げて!」



とても似合う白のフリルのついた可愛らしいビキニを着て、ふわふわの髪をポニーテールでまとめニコニコと楽しそうに笑う優香が浮き輪を持ちはしゃいでいる。


どれだけの男達に目をつけられているか…
どれだけの男を威嚇したか…


優香の周りには見えるはずのない
キラキラしたものさえも見える気がする。




そして



「きゃー!!ちょーイケメン!」

「いい体してるぅ」

「こっち見てー!!」



こっちもこっちで。



「やっば!!かっこよすぎ!」

「何あの二人〜!」



……やはり目を惹いてます。


一緒に歩くだけで、いろいろな所からいろいろな視線が突き刺さり。黄色い声も聞こえてくる。






ぶっちゃけ。





「……帰りたい」



ぼそりと呟くと



「なあに言ってんの、来たばっかじゃん」



と背後からポスっと私を包む腕



「……セクハラ」



黄色い声を出させてる犯人。






八木湊



「え〜?普通にカップルに見えるから平気だよ」


「見えない」


「即答ひどいな〜」



くすくすと笑いながら、パラソルのあるレジャーシートへと腰をかけるとポンポンと自分の隣を軽く叩く



「ひなたちゃんもおいで?」




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