Wedding March!【完】

第2章 /清楚ってなに?

今日から10月。
大学の後期がはじまり、いままで疎らだった学生たちが学内に戻ってきた。

この2カ月間とは打って変わって、賑やかになった学内。
学生課の窓口に来る学生も増える。
自然と忙しくなるアタシの仕事。

久しぶりに忙しかったせいで、昼休みを迎える頃にはかなりの疲労感。
いつものカフェテリアで、大好きなカフェオレを一口飲んで溜息を吐いた。

「なに、溜息なんか吐いちゃって。」

後ろからかかる声。
この学内で、アタシにこんな軽口を言うのは1人しかいない。

「だって、久しぶりに忙しくて疲れちゃったのよ。」

当たり前のようにアタシの向かいに座って、メニューを開く彰良。

「今日のサンドなに?」

「BLTとツナサラダ。」

「あ、俺もそれにしようっと。」

店員に声を掛けて注文する。

「今日は授業あるの?」

「ん?今日はゼミに顔出しに来ただけ。」

他愛もない話をしていると、横から声が掛けられた。

「よぅ!彰良。」

たぶん、彰良の友達と思われる男子学生2人。
彰良の前に座るアタシを見て、目を丸くしている。

「この人って・・・学生課の?」

そりゃ、吃驚もするだろう。
学生課の職員と学生が仲良くランチをしているわけだから。

「え?知り合いだったの?」

「ご近所さんだからね~」

ニコニコと答える彰良。
まぁ、ここまでの経緯を話すと長くなるから『ご近所さん』で済ませるのが無難だ。

「そうだったんだ?ここ、一緒に座ってもいい?」

店内を見回すと、満席状態で順番待ちまで出ている。

「絵梨子さん、いい?」

「あ、うん。どうぞ。」

アタシが了承すると、彰良は席を立ってアタシの隣に移る。
アタシ達の向かいに座った彰良の友人たち。

「えーっと、黛さん・・・でしたっけ?」

意外にもアタシの名前を知っていた、友人の1人は前田くん。
そして、もう1人は渡辺くん。
2人とも彰良と同じ法学部の4年ということだった。

彰良のおかげで、いきなり2人も名前を知る学生が増えてしまった。

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