Wedding March!【完】

第2章 /浮上

翌朝、休日ということもあり、昨日のことを多少なりとも引き摺っているアタシは、目が覚めてもベッドの上でゴロゴロしていた。

何にもする気が起きない。
食事もする気が起きない。

見もしないテレビをつけて、ただひたすらボォーッとしている。

ベッドに転がっていると、携帯のメール受信を知らせる音が鳴った。

のそりと動いて、携帯を確認した。

<おめでとうございますっ!本日のディナー招待に当選されました!つきましては、本日午後7時に下記住所までお越しください。お待ちしております。>

画面をスクロールして『下記住所』とやらを確認すると、どう考えても彰良のマンション。

それもそのはず、送信者は彰良。

ディナー招待に当選って・・・
新手のイタメールか?
それとも、なんか買わされるのか?
はたまた、不幸のメールか?

意味のわからないメールにしばらく携帯を握ったまま固まっていると、またメールを受信した。

<本日のメニュー>

というタイトルのメール内容は、なんかのお祝いかってぐらいの、豪華メニューだった。

一体、なんなんだ?
これが本気だとすると、彰良は遠まわしにアタシに夕食を食べに来い、と言っているんだと思う。

それにしても、なんだってこんな手の込んだ真似をするのか?

動く気力も食欲もないアタシは、彰良のメールを無視することにした。
携帯をポイっと放り投げた次の瞬間。

また、メールの受信を知らせる音。

<砂糖買ってきて。なくなっちゃったから、料理の仕上げができない。よろしくね。>

文面を読んで、目が点になった。
アタシ、ディナーご招待に当選したんだよね?
なのに、なんで足らない材料を買って行かなきゃいけないのよ。
どこの世界に、そんな当選あるってのさ。

これで無視して行かなかったら、7時を1分でも過ぎた時点で即刻電話がかかってくるんだろうな、と思った。

逆に、今すぐ拒否する内容のメールを送ったところで、すぐさま電話を掛けてきて、なんだかんだと大騒ぎされるんだろうな、とも思った。

アタシはどういうわけか、彰良のおねだりには逆らえない。
つまり、これも逆らったところで、時間と労力、通信費のムダということになる。

「仕方ない・・・行くか・・・」

アタシは、どう考えても避けて通れそうもないことを悟り、仕方なく彰良の家に行くことにした。

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