Wedding March!【完】

第3章 /気付いた気持ち

友人たちと飲んだ日から、アタシは彰良にどうやって接すればいいのか本気でわからなくなっていた。
『そんなはずはない』と思うものの、妙に意識してしまう自分を持余している。

それでも、なぜか毎日遭遇する彰良と会わないようにすることができなくて、話をする度にグルグルグル・・・
コンビニから家までの短い距離の会話でも、ちゃんと話せているかどうか怪しい状態。

なのに、今日はほぼ1日一緒に過ごすことになる。
この前、上の空で返事をしてしまった料理教室の日。

いつものコンビニで朝から待ち合わせ。
コンビニに近づくと、いつものように手をブンブン振る彰良が見える。

彰良の姿が見えたことで、小さな溜息が出る。
一緒にいるのが嫌なわけじゃない。
嫌ならとっくの昔に断ってる。
嫌じゃないけど、どうすればいいかわからない。

たぶん、アタシが意識しすぎなんだと思う。
『そんなはずない』なら、いつもどおり軽口を叩いていればいいと思う。
でも、なんでかできない。

けれども、彰良がふつうなのに自分だけがパニクってるなんて、こっ恥ずかしくて悟られないように必死のアタシ。

「絵梨子さん、おはよ~」

いつものようにニコニコと笑う彰良は今日も犬っぽい。

「おはよ。毎度のことながら恥ずかしいからやめようよ。」

とりあえず、軽口を叩いてみる。
意識的に言ってる時点で軽くないけど。

「いいじゃんべつに~」

「アタシはよくない。はい、行くよ。」

「あぁっ!待ってよ、絵梨子さ~ん」

スタスタ歩き出すアタシを追いかけてくる彰良。
アタシの横に並ぶと、空を見上げながらうれしそうにしている。

「今日も、料理日和だね~」

「料理に天気って関係ある?」

「あるよ~。天気が良ければ、気分的に明るくなって、美味しいものができるでしょ?」

納得いくような、いかないような・・・

「まぁ、美味しいならいいか。」

食いしん坊丸出しなアタシの発言に、笑って『そだね』という彰良は、今日も楽しそうだ。

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