Wedding March!【完】

第3章 /中途半端に大人

やっと気付いた自分の気持ち。
認めてしまえば、すべてがストンと落ち着く。

いつからかなんて、わからない。
けれども、アタシが彰良と一緒に過ごす時間が増えたのは、自分がそれを望んでいたからなんだろう。

断ろうと思えば、いくらでも断れた。
でも、それをしなかったのは、一緒にいたかったから。

単に、食い意地が張ってるだけじゃなかったらしい。
その点については良かったな、なんてフザケタことを考える余裕すら出てきた。


おかげで、翌日はスッキリ目覚めた。
モヤモヤがなくなったおかげで、ぐっすり眠れた。

いつもと同じ時間に家を出て、駅に向かって歩く。

例の自動販売機が見えてきたとき、そこの前に立つ彰良も見えた。



「絵梨子さん・・・おはよう」

「おはよ。こんな早くからどうしたの?」

自分の気持ちに納得ができたアタシは、もう彰良に八つ当たりしようなんて思わない。
いつもどおりに、ふうつに話してる。

「あの・・・もう、怒ってない?」

「なんで、アタシが怒るの?」

「だって、昨日・・・」

「あ、遅刻するから歩きながら話すわよ。」

そう言って、スタスタと歩き始めたアタシ。
慌てて彰良が追いかけてくる。

「別に怒ってないわよ。」

「そう?」

軽く答えたアタシに困惑しているのか、それきり黙った彰良。
しばらくの間、無言で歩いた。

「あ、昨日言ってた、ディナー券。アレまだある?」

「えっ?あ・・・うん。あるよ。」

「じゃ、今度行こう?」

彰良の方を向き、ニッコリ笑った。

「うんっ!いつにする?」

彰良もうれしそうに笑う。

「いつでもいいよ。てか、こんなに早く大学行くの?」

もうすぐ駅に着く。
1時限目から授業があったとしても、早すぎると思う。

「あ、ううん。タバコ・・・買いに出ただけ。」

「あ、ごめんね。こんなところまで連れて来ちゃって。じゃぁね。」

「うん、いってらっしゃい。」

改札口のところで手を振る彰良。

「いってきまーす。」

アタシも手を振りながら、改札を通り抜けた。

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