Wedding March!【完】

第1章 /名前のない関係

翌日、昼休みになり彰良にメールをする。

<昼休みになった。どこに居る?>

すぐに返信が来る。

<今日はラーメン食べない?>

ラーメンか。
そういえば、しばらく食べてないな。

<いいよ、どこかお店知ってるの?>

返事をすると、今度は電話がかかって来た。

『もうメール打つの面倒くさくなっちゃった。今、校門にいるから来られる?』

「うん、わかった。すぐ行く。」

早くしないと昼休みが終わってしまう。
アタシは足早に校門へ向かった。

校門前にはいつもの手をブンブン振る彰良。

「絵梨子さん、お疲れ様~」

「お店すぐ近く?早くしないと昼休み終わっちゃう。」

「あ、そうだよね。すぐだから、行こ?」

彰良の連れて来てくれたお店は本当に大学のすぐ近くで、1人だったら入る勇気はないような寂れっぷりだった。

「こ、ここ?」

あまりの寂れ具合に、入るのを躊躇する。

「そう、ここ。見た目はアレだけど、すっごく美味しいんだよ。」

お店の人に遠慮してか、少し小声で言う彰良。
彰良の食べさせてくれるもので今まで失敗したことはない。
彰良の舌を信じよう。

店の中に入ると、外観の寂れ具合ほどではなく、ちょっと古いってぐらいだった。

「お勧めは、もやしラーメンだよ。なんにする?」

「じゃぁ、彰良のお勧め食べてみようかな。」

アタシは彰良の舌を信用している。
予想通り、お勧めのもやしラーメンは美味しかった。

「やっぱり、彰良の舌は信用できるわね~」

「なにそれ、舌以外は信用できないみたいじゃん。」

不満そうな彰良。

「え?そう聞こえた?」

アタシはわざと惚けて言った。

「ひどーいっ!」

彰良とのこんな会話もすっかり定着して、自然に馴染んでいる。
『清楚バージョン絵梨子』みたいに疲れることはないし、気を使うこともない。

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