Wedding March!【完】

第2章 /本当の自分

30分後、アタシのマンションまで車で来た彰良は、すでにテンション高め。

「どこ行くっ!?」

「それより、お腹空いた。」

悠介さんと食事をすると、どうも緊張しているせいかいつもあまり食べられないし、食べた気もしない。
かなり空腹だったアタシは、彰良に蕎麦の話を聞いてから、余計に空腹が増した。

「はいはい。まずは蕎麦屋さんね。」

楽しそうにハンドルを握る彰良に、なぜかアタシまで楽しい気分になる。

彰良の連れてきてくれるお店はホントに外さない。
蕎麦ってシンプルな料理で美味しいお店を知っているってところに、彰良がどれほど食通かということがわかる。

「彰良と食事すると、どれも美味しいから太りそうだなぁ・・・」

贅沢なボヤキをするアタシに、うれしそうにする彰良。

「そんなに美味しい?」

「外で食べても、彰良が作っても美味しくてつい食べ過ぎちゃうんだよね。」

「俺も、美味しそうに食べてる絵梨子さん見てると幸せ。」

あぁ、またその顔をする・・・
その顔は、ダメだってば。

自分の欲求不満と戦いながら、黙々と蕎麦を食べる。

悠介さんが連れて行ってくれるお店も、どこも立派なお店で、たぶんすごく美味しいんだと思うんだけど、いつも味が良くわからない。

彰良と食事をすると美味しいってことは、アタシの『清楚バージョン絵梨子』がまだまだ板についてないってことなんだと思う。

『清楚バージョン絵梨子』確立への道はまだまだ遠い。

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