龍神恋慕<リュウジンレンボ>(完)

5・言葉足らずの双頭

次第に夜が明け、真っ暗だった部屋が光を取り戻していく。


今腕の中にいる翡翠。


翡翠の身体に異様な赤い文字が見える。


服からはみ出した白い素肌からはっきりと浮かび上がっていた。


痛々しいその姿。


とにかく休ませないと。


翡翠の身体を気遣い、ベッドに寝せようと身体を離そうとした。


しかしより一層、私に必死にしがみついてくる。


翡翠の身体は燃えるように熱かった。


そして少し身体を揺らすだけで痛そう顔を歪ませる。


私と離れる事を拒んでいるのか?


離れたくないと言葉に出せない気持ち。


それを必死に行動で伝えようとしているのが分かる。


私はそれ以上痛い思いをさせない為、一緒に横になる事にした。

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