WORLD Ⅰ 【完】

私が来ていることに気付いているのだろうが急ぐ素振りはない。

後部座席のドアにもたれかかり空を眺めた。街の明かりが邪魔をして星は殆ど見えない。

昨日の事務所から見た空には星が沢山見えたのに…

ガチャン

車のロックが解除される。

振り返ると和玲が此方へ歩きながら車の鍵を持っていた。

「こんばんは」

ドアから私に視線を向け

「ああ」と言い運転席に乗り込む。

やっぱり助手席は…
と、思い後部座席のドアを開けた。

「前に乗れ」

「え?でも…」

少し戸惑ったが、和玲に動きはない。

開けた後部座席のドアを閉めて、助手席のドアを開ける。

「おじゃまします」

そう言って座席に乗り込みシートベルトをした。

和玲の方を見ると静かに車を発進させた。





0
  • しおりをはさむ
  • 574
  • 3102
/ 502ページ
このページを編集する