WORLD Ⅰ 【完】

WORLD /思い

「舞と綾乃は昔からの連れだ」

「今日は舞さんが綾乃さんを連れてこられたんですか?」



和玲は珍しくハンドルに凭れながら、疲れた様子を見せる。

「事務所へは翡麗と来たみたいだが、後から綾乃が別口できたらしい」



「私と合わせたかったのは、あの舞さん何ですよね?」

「そうだ」



「綺麗な方ですね」


和玲がハンドルに凭れたまま、顔をこちらに向けた。


「……」


答えなかった。



「帰るぞ」


そう言って車を出した。

「明日、7時に…」

「コンビニ…ですね?」

ふっ…

和玲は優しく笑って

「あぁ」

……




いつもクールで冷静そうに見える和玲。

でも、優しくて、激しい怒りを表に出すことも知っている。

優しく笑い、時には辛そうに。時には悲しそうに。


一緒にいるとわかる。

感情豊かな人だ。


でもその和玲は、悲しく、辛く、重い現実の上にとても危うげに立っていることを知った。



それを知ってしまわないようにように…和玲の世界を覗いてしまわないように…最近の私は気を付けていたはずなのに…



知ってしまった私はこれからどうすればいい?



誰にともなく訪ねた…


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