『南十字星〈サザンクロス〉』Ⅰ 【完】

第2章 (孵化) /7話

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時は誰にでも平等に過ぎていく。

これは万国共通、いつの時代にも言えること…

だと思ってたけど…





今の私の毎日は飛ぶように過ぎていく。

何故なら…



倉田と付き合うと七緒達に告げたあの日から、倉田との距離が一気に近くなったと思う。

と、言うか…



生まれてはじめての彼氏を意識しない訳がない。

例えそれがニセモノでも。

毎日が楽しくて仕方なかった。

年末年始で七緒達のクラブが休みになり、いつもなら取れない時間もたっぷりある。

初詣も生まれて初めて行った。

年末に神社にこんなに人が集まってるなんて知らなくて、圧倒される私に倉田は

「年末はいつもお母さんと家で過ごしてたの?」

と聞いてきた。

「ううん。1人で」

「そうなの?あの家に1人で?」

と、私の答えに逆に驚いていた方だった。

…あの家…ではなかったけど…

とは言えなかったけど。



真冬の季節。

海や山でボケッとしていられる季節でもない。

皆バイトしてるわけでもない。

「金ねぇぞ。新しいバッシュに3ヶ月分の小遣い注ぎ込んだからな」

と言う田中に合わせた。

大抵は七緒の家に集まって話したりゲームをしたりして過ごした。



私の家…

だったり…



と言うか、今日生まれて初めて家に友達を呼ぶ。

一応前もってママには言っておいた。

ママは首を傾げて

「珍しいわね。あなたが友達?」

と…呟いただけだった。



だけど、気にしてなさそうな態度のママだったけど、今日七緒達が来る前に…

ピザが山ほど配達された。

「え?」

と、驚く私に配達の男の人は、

「お姉さん?お母さん…ですかね?お代金ももう頂いてますので」

と、玄関に山ほどピザの箱を置いて帰っていった。



そして、それと入れ違いの様に七緒達が来た。


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