騎士~KNIGHT~ [完] 

水も出なかった。





例え誰も住んでないとしてもここに帰ってきても生活は出来ない。

これを元の住める状態にまでする仕方が私には分からないから。

色々な手続きや水、電気、ガス等をどうやって使えるようにしたら良いのかさっぱりだ。

方法を調べたくても携帯もない。

パソコンの有るところへ行って調べるとか、役所へ行って聞いてくることも可能だけど、何よりもここはもう私の物では無いのだから、それは不可能だった。

少し後悔した。

安易に手放したことを。

あの時は家を持っているだけでも何かと多額の維持費がかかると言われ、怖くなって手放すと言うことを選択したけど…

それも今となっては嘘か本当かも分からない。

世間知らずの私が…

今更何を言っても後の祭りだった。





兎に角今はずーと長い間連絡を取ってなかった友達に助けを求めようか。

でも、進学して地方の大学に進んだ子達の住所はわからないし、家から通ってる子の家に行くにしても、この時間に自宅に押し掛ける訳にはいかない。





「なんでこんなことになってんのよ!」

自分の置かれてる状況に嫌気がさす。

取り敢えずここに帰ってくる途中で買ってきたコンビニのお弁当を食べた。

でもこれじゃトイレにも行けない。

まぁ、トイレは近くの公園に行けば良いとして…

ついでに顔とかもそこで洗ったとして…





こんな生活長くは出来ない。





「蘭のバカ…」




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