騎士~KNIGHT~ [完] 

第1章 /10話

蘭もチラッと見たけど直ぐに向き直り

「アイツなら大丈夫だ」

そう言って車を出す。

「で、でも」

「…愛李沙」

「え?」

「お前に話がある」





そう言った癖に蘭はその後1言も発することなかった。






それからどのくらい車に乗っていたのか…

蘭の家から持ってきたモノはそのままバッグに入れて持ち歩いてるから、どこへ連れていかれても困ることはない。

だけど、今の蘭はいつもと様子が違った。

「蘭?どこ行くの?」

「…つけられてる」

「え?」

思わず振り返った。

そこには黒い軽バン。

「…あ、あれがそうなの?」

「あぁ。そうだ」

「ど…どうするの?」

「……まだ明るい」

「え?」

「お前が…」

そう言いかけて蘭は私の頭に手を置いた。





「ら…蘭?」

私の声は震えていた。

恐怖と言うより、今から起こることを想像して…





「…どう…するの?」

「場所を探す」

「…場所…を?」

「人目につかないところを」





そうか。

蘭はこの辺の土地勘が無いんだ。

「どんな場所が良いのかわかんないけど…もう少しいったところを山の方へ行くとキャンプ場が有るよ」

「キャンプ場?」

「だけど…もう閉鎖されたとこだから多分人がいないと思う。だから…何か有っても助けを呼べない…」





0
  • しおりをはさむ
  • 167
  • 3119
/ 554ページ
このページを編集する