騎士~KNIGHT~ [完] 

第2章 /4話

「ただいまー」

玄関を入ると、消して出たはずのクーラーが付けられていて、涼しい空気が私たちを出迎えてくれた。

「うわぁ。涼しい…」

靴を脱いで蘭が居るであろうリビングに入って蘭の姿を目にして

「蘭ーー!ただい……」

と飛び付く勢いでいた私を止めたもの。

蘭の隣にいる長いオレンジに近いブラウンの髪が目を引く超絶美女の存在。





長いまつげに縁取られた切れ長の目が私を捉えた。

そして彼女は何も言葉を発することなく魅惑的な笑みを浮かべた。





「…」

彼女が誰なのかと、隣に居るはずの蘭は一切紹介してくれない。

と、言うか帰ってきてまだ1度も目を合わせてくれない。





もしかして…

私は場違いなところへ帰ってきた?





蘭が女の人をここへ連れてきたのは初めてだったから、少なくとも私は混乱していた。

今日は遠出すると言って私たちは出掛けた。

蘭にもゆっくりしてきてと言った。





私は早くにここに帰りすぎた?

蘭はまだ帰らないと思ってこの人をここに連れてきた?

私は…

私は…

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