騎士~KNIGHT~ [完] 

第2章 /5話

港町なだけあって時より、ボーだかボワーみたいな船の音がする。

真っ直ぐに道を進むと大きな川に出た。

どこからが海でどこまでが川なのか分からないほどここは海に近い大きな川。

大きな橋がかかってて私は調度その真ん中辺りで足を止め川を覗き込んだ。

夜だからか、水は真っ黒で海に流れ込むはずの水が何故か逆流している。

…様に見えるだけ?

いや。

確かに…秘かに波が川を遡っているのが見えた。

満ち潮によって川の水が逆流しているのかもしれない。

柊が前に言ってた。

川の水は海水になるときがあるって。





ここは…海水なのか、真水なのか。

海なのか、川なのか。





深く黒い水の色を見ていると何だか自分と重なった。

流されている…

自分の意思なんて何にもなくて。

ただ流されている…

そう感じた。




蘭との生活は何不自由なくて心身ともに満たされていた。

でも、そこには蘭の存在が不可欠。





私にとって蘭は…何?

家族…でも家族ならキスはしない。

恋人…まさか。

蘭は私に恋なんてしてない。

同居人…何のための?

ルームシェアにしては目的がない。

と言うか、私が蘭の傍に居ることの…意味なんてない。





なら蘭は何故私を傍に置いてくれてるの?

いや、傍に置いてるの?

そこに何か目的があるの?

利益があるの?

体を求めてくる訳じゃないからそれ目的ではないのはわかる。

身の回りの事をしてくれと言われたけど…

あれだけの生活をする人なんだからお金を出せばいくらでも家政婦なんて雇えるだろう。




なら…暇潰し?

変わったペットでも飼ってる感覚?

でも人間を飼うなんてそんな面倒臭いことするかな…。

現に今、面倒臭い事になってる。










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