騎士~KNIGHT~ [完] 

そこまで考えてハッとした。

今までは…面倒臭い事にはなってなかった。

こんな風に私が取り乱すことも無かったから。

そこには蘭が女の人をあそこに連れてきたと言う均衡が壊れた大きな物があるけれど、所詮あそこは蘭の家。

私がとやかく言える立場ではない。

まして私は遠縁と言うだけで身元引き受け人にまでなってもらって、生活の全ての面倒を見てもらっているのだから。





均衡が壊れた…

私はその事に少なからずショックを受けた。





「もしかしたら…私の…せい?」

ポツリと呟いた言葉は暗い水に呑まれることなく…いつの間に立っていたのか…背後の人に届いたらしい。





「やっと気がついた?」

冷ややかな声が背中に突き刺さり思わず振り返る。

「…あなたは」

「どうも」

ニッコリと笑うと欄干を背に立つ私の横に私の方を向いて真っ直ぐに立った。

スラッとして何よりも圧倒される雰囲気に思わず一歩後ずさる。








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