騎士~KNIGHT~ [完] 

それに言葉を返すことは出来なくてそのまま綺麗とは言い難いその場に座り込み、ビルの壁に背を当て今にも途切れそうな意識を何とか持ちこたえていた。









「…愛李沙」

ふと頭上から掛けられた懐かしい声。

「蘭…」

背中と足に手が入れられゆっくりと体が浮遊する。

朦朧とする意識の中…その浮遊感はまるで水の中に居るようで何とも不思議な感覚だった。

「寝てろ」

そう落とされた言葉に1度は目を開き目の前に有る蘭の顔を視界に入れ、そして安心して意識を手放した。





相変わらず綺麗な顔。

相変わらずの感情のない目。

あぁ…蘭だ。




0
  • しおりをはさむ
  • 167
  • 3102
/ 554ページ
このページを編集する