騎士~KNIGHT~ [完] 

第3章 /1話

時間は9時前





遅めの朝食を食べてからバイトに行こうと思ってたのに、そのまま出てきてしまったから時間はかなり早い。

店に入るのも躊躇してしまう。

今日は昨日着て帰ってしまった店のユニフォームを来てきたし、着替える時間も要らないのに…。





「ハァ…」

と、大きくため息をついて店の《close》の看板を横目に店の前を素通りして、私はそのまま駅前通り迄来ていた。

それなりの繁華街が広がるこの街。

ここの駅はこの辺では大きい方ではないけど繁華街に面しているだけあって小さいながらも駅ビルも有る。

私は暑い日差しを避ける様に駅ビルの中へ入っていった。

トイレに行き軽くメイクを直して、ここまで歩いてくる間にかいた汗を拭う。





バタン…

誰かが入ってきたのだろう。

小さいとはいえ駅ビルのトイレ。

個室もズラリと並んでいる。

朝の時間とはいえ利用する人がいても全く不思議じゃない。





だけど…





「うっ!!」

入ってきたのが男なのか女なのか。

1人なのか2人なのか。

そんなことは全く分からない。

分かるのはツンとくる異臭のするタオルで顔を覆われたこと。

遠退く意識の中体に浮遊感を感じたこと。





そこに恐怖を感じるまもなく私の意識は途絶えた。





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