騎士~KNIGHT~ [完] 

坂下は躊躇うことなく、聞いたことには答えてくれた。

誤魔化すことも無ければベールにも包まずストレートに言葉にし過ぎるから、私は気分を悪くして何度かトイレに駆け込んだ。





多分、坂下は何処か欠けている。

でも、坂下の秘密を聞かされたときから何となく、坂下の事を理解出来た気がした。

あの最初に会ったときの底知れぬ恐怖は、感情のこもらない人格に有るんだと思う。

蘭も感情を出さないけど、蘭とは違う。

蘭は出さないけど、坂下は感情が欠落しているんだと思う。

昔、パパと美術館に行ったときに、日本の伝統芸能のコーナーで初めて能面を見て酷く怯えた記憶がある。

笑ってるくせに笑ってない、あの目、表情が…酷く怖かった。

あの時の怯えた感覚を思い出した程に。



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