Fight marriage Ⅰ 【完】

第2章 /1話

案内されたのは披露宴の時に使った控え室とは違ってもう少し小ぶりの部屋。

大きな化粧台が有るのは一緒だけど、部屋にはドレスが1枚だけ掛けてあった。

そこには以前式の時にお世話になったヘアメイクの大森さんが所狭しとメイク道具を並べて待っていた。





それにしても…

私はトルソーが着ているドレスに目をやって眉を寄せた。





シルバーラメのマーメード型のドレス。

これはかなり体のラインが出るだろう。

おまけにオフショルダー…

露出度が高い…

思わず息を呑んだ。





これは…零が選んだのだろうか…





しばらくぼうっとそのドレスを見ていると、ノックがされたかと思うと返事を待たずに扉が開く。

そこには零がいて…

もし着替えの最中だったらどうするつもりだったのかと思った。

いくら夫婦と言ってもデリカシーが無さすぎる。

私はフイと視線を逸らしたが、零は何でも無いように部屋の中に入ってきて、中にあったソファーに腰かける。

零を見てもその表情が何を意味するのか分からない。

この人に何かを求めても駄目だと思い話を進める。





「グローブはどうしましょうか」

せめて腕位は隠したい。

無意識にスーツの上から自分の腕を擦った。

「要らない。挨拶の機会が多いから面倒臭いだろう」

…確かに。

挨拶で握手をするときは、グローブは外してするのがマナー。

だけど…思わず俯いてしまう。

「…はい」

私が返事をして零を見ると

「…それにしても…」

とドレスを見て不機嫌そうに眉をよせた。

「?」

急にどうしたのか…


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