Fight marriage Ⅰ 【完】

第2章 /2話

控え室に飛び込むように入ってきた私に大森さんが驚いて立ち上がった。

「あ、驚かせてごめんなさい」

「…いえ。あの…どうかされましたか?」

「すぐに違うドレスを手配出来ません?」

「ドレス?」





「私に…私に似合うドレスを…」





大森さんは目を見開いた。

「わかりました!大至急!!」

と、電話を持って部屋を飛び出す。





きっと…

何かがあったことは分かったはず。

大森さんは何も悪くない…

凄く…凄く申し訳ない気持ちになった。





誰も居なくなった部屋。

私は1人ソファーに座り込み会長〈お祖父様〉の先程の言葉を思い出す。





『自分に合っていてこその着こなしだ』





自分の着るものを人に任せたから…悪いんだ。

零は私にこれが似合うと思ったのかもしれない。

このドレスを着こなせる…と。





だけど…

今日は大役のはずなのに…

いけないと思いながらも涙が溢れる。

まだパーティーに戻らなくてはいけないのに。





バッグからハンカチを取り出し涙を拭こうとして固まる。

どこの誰のか分からないルージュを拭いたハンカチ…





ゴミ箱に捨てた。




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