Fight marriage Ⅰ 【完】

第3章 /2話

コンコン…





もう一度ノックが聞こえた。

部屋に入ってきて欲しくない私は返事の代わりに、自分が部屋から出た。

廊下に立ち私を見下ろす零が

「消毒する。来い」

と言った。

…この時間に?

家を出ていた間、全く触ってなかったのに。

腑に落ちなくても、それでも言われた通りに私は零の後をついていく。





零のベッドに座らされた。

何もなかったように顔色1つ変えすに作業する零。

片方ずつ、ピアスを外さずにそっと何かを付けて、そしてピアスを少し動かしているようだった。

「酷く膿んでしまったから今回は諦めるかと思ったのに持ち直したな」

「…」

「これを入れたとき、ホールはまだ空いていたか?」

「…はい」

「そうか」

そう言って両耳に髪を掛けると顎を持ち正面から耳を確認しているようだった。

その目には私はどう写っているのだろう…





そして箱に今使ったものをしまうと、ベッドサイドに置いた。

そして私のまだ乾いていない髪を掬い

「乾かせ」

という。

「…はい」

返事をして私は寝室を出た。





そして閉まった寝室の扉を振り返り

「罪の意識も大変ね」

と呟いて自室に戻り髪を乾かす。





その声が聞こえないことを分かっていたけど。








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