Fight marriage Ⅱ 【完】

第2章 /7話

店を出た後、来た車に乗って…

マンションの前に降り立った。

「ありがとう」

そう言って見慣れない運転手に礼を言うとゆっくりと歩きながら車が走り出すのを待つ。

そして…ほんの少し前まで零と一緒にいたあの座敷での事を思い出した。





ーーーーー。

あのゆっくりとした時間を過ごしているとき…

静かな座敷に…

零の携帯が鳴り響いた。





私はまるで最初からそうしようとしていたかのように、バックを持ってゆっくりと立ち上がって部屋を出た。

そしてお手洗いに行きメイクを直す。

いつもより少しゆっくりと。

意味もなく髪を撫で付け、乱れもしていない衣服を見直した。





そして…そのまま…先程の座敷ではなく、店の出口に向かった。

そこで待っていたのは…零。

まるで私がそこに来るのが分かっていたかのように、壁に凭れてタバコを吸っていた。

そして二人揃って女将に挨拶をする。

するとカウンターの奥から旦那さんも出てきてお見送りをしてくれた。





丁寧に頭を下げ、2人と別れて車のところまで来たとき…

「先に帰っててくれ」

と…零に言われた…。





私は躊躇うこともなく、さも当たり前のように


「はい。ではお先に」

と、言われた通り1人で車に乗り込んだ。

ーーーー。





エントランスに続く階段に足を掛け…

ピタリと動きを止めた。

そして踵を返すとタクシーに手を挙げ乗り込む。





「取り合えず出してください」

そう言ってタクシーを走らす。

行き先は本当はどこでも良かった。

ただ、家に帰りたくなかっただけ。





ある程度走ったところで

「お客さん、どちらへ?」

「取り合えず△△町へ。後は又言います」

そう言って座席に深く座り直した。





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