Fight marriage Ⅲ 【完】

第1章 /1話

扉の前でカードキーを手渡され

「じゃ、僕はここで」

と迅は部屋の扉すら開けなかった。

紳士的な態度と言えば聞こえがいいけど、《君の心を奪いに行くよ》と言ったあの言葉と裏腹のこの態度に私の戸惑いは隠せない。





部屋に入ってこられては困るのに…

あまりにも素っ気なく置いていかれると『あれ?』と思ってしまう私は…既に迅の策略にはまりかけているのかもしれない。

すぐに踵を返しエレベーターに向かう迅の背中を複雑な気持ちで見送った。











入った部屋はスイートルーム…





ではなく、《ワンベッドルームスイート》だった。

ここに迅の暖かい気遣いを感じた。





迅が用意してくれたこのワンベッドルームスイートはその名の通り、ベッドルームが1つだけ付いたスイートルームのこと。

ベッドルームは、キングサイズベッドが1台入ってるだけの無駄に広すぎない空間だった。

一人で泊まるのに…

無駄に広いと寂しくなる。

迅はきっとそれが分かっていたから。




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