Fight marriage Ⅲ 【完】

第1章 /3話

その後なんとも言えない沈黙が続いた頃、ようやく見えてきた桐生邸。

気が重い反面自分を受け入れてくれる者の存在が有るところに行くのは嬉しかったりもする。





車から降りてすぐに目に入ったのがグレーのスーツに身を包んだ田所の姿。

当たり前のように後部座席から私の着替えの入ったバックを手に取る。

荷物があることの報告でも受けていたのかと不思議に思うほどの迷いの無い行動。

まぁ、ここに居るってことで全て了承済みってことなんだろうけど。





そんな田所など気にすることなく自然に私の腰に腕を回しエスコートする零。

いつもの事だけど本当にこの辺の行動は紳士的。

零の事をよく知らなかったら完全に勘違いすると思う。

そっと添えられた腰への手。

いやらしくない程度の本当に絶妙な添えかたで。

それに応える私もどれだけピエロなのって思いながらふと視線を感じ目をやると、そこには冷えた目で見据える田所が居た。





ゾワ…





思わずギュッと零の服を掴んでしまった。

「…どうした?」

と私の顔を見た零が足を止めその視線の先を追った。

零に見られても表情を崩さない田所…





零は何も言わなかった。





どうして…

あんな目で私が見られてるのに止めてくれないの?

田所のあの目が私を蔑〈さげす〉んでる目だと言うことは見ればわかる。

私に対しての視線って言う以前にあの目付きは無いでしょ?

それを止めないと言うことは…

田所のこの視線は公認て事なの?






本当に零の考えていることが分からない



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