Fight marriage Ⅲ 【完】

過去の記憶 /元カレ

家の中が騒がしい。

一人暮らしから漸く人の気配に妙な安心感を感じ始めた近頃。





茉愛沙は基本物静かに行動する。

育ちから来る気品と言うより生まれ持ったモノだろう。

おっとりとしていてどこかそそっかしくもあり…飽きない。

が、

今は何か可笑しい。





ソファーから立ち上がりリビングを出ると寝室に入っていく茉愛沙。

その姿は肩にはバッグが掛かっており"出掛ける"雰囲気丸出しだった。





…何をそんなに慌てている?

「どこへ行く?」





「今日の本家へのお土産を」





…そんなに慌てながら?

「車を出してやる」





「一人で行かせてください」





…そんな哀願するような目で?

「何故?」





茉愛沙の言葉が止まった。

そして動きも止まった。

瞬時にまるで諦めたように急く空気が消えたのだ。





それが無償に気に入らない。

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