Fight marriage Ⅲ 【完】

日常 /思惑

「…」





リビングの扉を開けた俺の顔を見て固まっているのは…茉愛沙。

『お帰りなさい』

と、いつもの様に柔らかい声で出迎えてくれるとばかり思っていたから…面白くない俺は扉に体重を掛けて凭れる形で茉愛沙をじっと見た。

早く『お帰りなさい』と、微笑んでくれ…そう思いながら。





どうもその姿が茉愛沙には怒っているように見えたようで…

「ご、ごめんなさい。突然帰って来るんですもの…」

そう言いながらおろおろし始める。

「あ、とりあえず座ってて。お茶!そう。お茶を入れるから!」

そう言って逃げるようにリビングを出て行った。





『何か予定があったのか?』

と頭の中でこの日の予定を思い返す。





いや、今日は帰りが遅くなると言っていたのに、予定が変わり夕方には帰ることが出来た。

先方が体調を崩したからだ。

約束どころかこの時間に俺が帰る事自体が予定外の事だろう。

予定より早く帰ってきたことで茉愛沙の予定が狂った?





「…何だ?」





良からぬ事が頭を過る。

まさか。

茉愛沙に限って裏切りなんてことは…

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