Fight marriage Ⅲ 【完】

日常 /St. Valentine's Day

「モーリ!」

「はいはい。ここに居りますよ」

「大変なの。あの人が熱を出したわ!!」

「旦那様…ですか?」

「そうなの!」





そう言って私が電話をかけた先は"お爺ちゃん先生"。

街へ行けばいくらでも総合病院は有るけれど、"経験"と言う多くの引き出しを持っているお爺ちゃん先生を信頼しているから。

ううん、違う。理由なんて無い。

診て貰うならお爺ちゃん先生がいいから…

何ていってる場合ではないわ!





「タオルと…」

「はいはい。今お持ちしますよ」

そう言って部屋を出て行くモーリの背中に

「バレンタインなのに…」

とつい口にしてしまった。

「はい?」

「チョコレートは口にできないかしら…ね」

「あぁ、その事ですか。食欲次第なのでは?栄養もございますし体には悪くないと思いますが?」

「ほんとに?大丈夫だと思う?」

不安げな私の顔を見て優しく微笑んだモーリにお婆様の姿が重なり、ふと忘れていた過去を思い出した。

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