True lie Ⅱ [完]

2章 /関係

「よお」

カウンターの中の龍斗さんが声を掛けてくる。

「…ど……うも」

前回来た時は、こんな『ここはbarです』ってな空気じゃなかった。

だから緊張なんてせずにパフェまで食べれたのに。

今はジャズの流れる店内でお酒を楽しむ大人の客たちが静かに談笑している様に場違いな私は緊張からロボット見たいになってしまう。

誤魔化す様に軽く頭を下げて通りすぎようとすると……

「龍生」

「あ?」

「ガキ作んなよ」

「うっせーよ。失敗しなきゃ良いんだろ!」

階段へ続く扉に行くまでの間にそんな会話がなされ、目を向いて龍斗さんと龍生を見ると2人はそれぞれ笑っていた。

……私の緊張を解くため?

なんて都合良く思ったりもする。





それにしても似てない親子。

いや、雰囲気は似てるから『やっぱり親子だなぁ』なんて思うんだけど。

『摩季さんに似てて良かったね』なんて思うほどに龍斗さんは見た目が厳ついから。

つり上がった一重の細い目がそう言う印象を与えてるんだろうけど…。


そんなことを考えていたらいつの間にか店に入った時の緊張が少し解けてて、私もクスッと笑いながら扉の奥に入って行った。

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