幸せを知りたくて夢を見た【編集済み】

第一章 /ひかり Side

ずっと、夢を見ていた。空に飛ぶ夢で、それはとても幸せな夢だった。誰にも束縛されることなく、苦しめられることもなく、自由に空へ飛び立って、温かな世界へ行く夢。



「ひかり、大丈夫だ」



でも、今日は違った。今日は、誰かに引き留められている。誰だろう、こんな私を引き留めようとするのは。



「だ、れ…」



夢なのに、わずかに声が出た。いつもなら声も何も出ないでただ空を飛ぶだけの夢なのに。



「柊雅貴、だ。お前を好いている男だ」


わからない、わからない、何を言っているのか、理解できない。でも、それでも、なんでだろう。この人から離れるのは酷く惜しい気がする。



寂しい、気がする。



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