SWALLOWTAIL ~butterfly~【完】番外編完結

エピソード3 /2

「着きました」


葵兄の声と共に車が停車する。
窓の外を見れば、私の住むマンションが見えた。


…早い


行く時は長く感じた道のりも、帰りはあっという間だった。


ふとマンションの駐車場に視線を向けると、覚えやすいナンバーと見覚えのある白いベンツが停まっているのが見える。


…! あの車…


「渉、待って!」


車から降りようとする渉を止める。


「どうした?」

「今日は、いい…」

「あ?なんでだ?」


私に止められた渉は、眉間に皺を寄せている。


「…あの人来てる」

「あ?」


渉は私の指差す駐車場に視線を向けると、舌打ちをし、「…わかった」とドアノブから手を離した。


「ありがとう…」

「あぁ、明日起きたら連絡しろ」

「わかった」


車から降りようとドアノブに手を伸ばす。


「どうぞ」


私の手が開けるよりも早く、ドアが開く。


「葵兄…今日はありがとう。楽しかった」

「私もです。お疲れ様でした」

「渉、じゃぁね…」

「あぁ…」


私が車から降りると葵兄がドアを閉め、渉が見えなくなった。

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