SWALLOWTAIL ~butterfly~【完】番外編完結

『とりあえず拓真さん忙しい人だろうから、いくらでも会えるだろ』


いつの間にか渉の声は、いつものに戻っていた。


「……うん」

『大丈夫だ。今日は用事があって行けねぇけど、学校の迎えは毎朝行くし、一緒にいれる時は傍にいてやる』

「……わかった」

『それに、拓真さんすぐにまた出張になるから』

「―え?そうなの?」

『本人もまだ知らねぇと思うけど』


― なんで社長の拓真が知らない事を渉が…!?


「なんで知ってるの?」

『ん?親父から聞いた』



― え? ヤクザの組長さんって何者!?


『元々、優の親父と俺の親父が起こした会社だからな。今の社長は拓真さんだけど、会長は俺の親父だ』

「そ、そうなの!?」

― し、知らなかった…


『表向きは組と関係ない事になってるからな。知らなくても当たり前だ』

「そうなんだ…」

『だから、拓真さんが出張になればまた優の家にも行ける』

「うん」

『拓真さんも久しぶりに優に会えたんだ。たまには家族水入らずでいいんじゃね?』


渉の口から発せられた“家族”という言葉に、妙に嬉しくなる。


「うん!」

私は電話越しの渉の声に笑顔で頷いた。

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