【 Knight / night 】~主従ファンタジーラブコメ~

章タイトル未設定 /14話「視線」













ケイ『馬鹿にしてる……馬鹿のくせに。』



アキ「はは、してねえよ♪つーか馬鹿って俺のことか?」



そんな二人の会話を聞いていて、何やら店員がにこやかな表情で見守っていた。



店員「ふふ、お二人は見ていて何だか和みますね。兄妹でいらっしゃるんですか?」



アキ「へ~…俺らって、兄妹に見えるらしいぞ?」



ケイ『こんな間抜けな兄はいた覚えがない。』



ケイの辛辣な言葉に、店員が苦笑いしている。



アキ「ま、まあなんつーか!ハハッ、ハハハ。」



店員「あの、気が付かず申し訳ありませんでした。まさか、お二人が恋人同士だったとまでは気付かず…。」



アキ「へっ?」



アキは石像のように固まった。



店員「あの…?」



ケイ『恋人ではありませんし、何の関係もありません。』



あとからケイがすかさず否定した。



居たたまれない空気になり、その後服を購入し二人で店を出た。



ケイの服の代金はすべてアキが負担していた。



アキ「さっきはビックリだったな、恋人だってさ。」



アキが唐突に先ほどのことをぶり返し、ケイは話題を逸らした。



ケイ『……何で、服なんて買ってくれるの。』



アキ「えっ?特に理由はねえけど……でも、お前にあげたいって思ったからかな♪」



自分の服も買っていないというのに、他人の服なんて買って、お人好しな男だとケイは思った。



ケイ『馬鹿がつくほどのお人好し…。』



アキ「え…?」



ケイ『自分の服は買わなくていいの…?』



アキ「ああ、俺の服なんかどうだって!それに男だし、お前は女の子だから、お洒落くらい楽しみたいだろっ?」



ケイ『そんなの…興味ない。』



アキ「言うと思った(笑)だから、服は俺が買ってやるから、お前は変な気は遣わなくていいの!」



ケイ『別に、遣ってないし。』



アキ「…そっか。んじゃあ、明日から早速、俺の買った服着てくれよな♪」



ケイ『……。』



無表情を崩さないケイの横で、アキがご機嫌そうに笑う。



こんなに正反対な二人が、いるだろうか。



アキ「腹減ったな~…、何か美味いもん食いに行こうぜ!」



アキは唐突にそう言い、ケイの華奢な腕を引っ張った。









それからと言うもの、二人は辺りが夕暮れになるまで街を歩いた。



アキ「もう夕方か~…お前と遊んでっと、時間が経つのも早いな。」



ケイ『…。』



その時ケイには、誰かに見られているという微妙な感覚があった。



アキ「ん?どうかしたのか?」



アキはケイのその様子にすぐさま気が付き、不思議そうな顔をする。



ケイ『…さっきから、誰かにつけられてる。』



アキ「えっマジで!?」



アキはそう言い、驚きの表情を見せた。



ケイ『相手は、複数いると思う…。たぶん、目的は……』



ケイは何かを言いかけ、口を閉じた。



アキ「?」



すると、暗がりからワラワラと複数人の男たちが現れた。



アキ「うわー…お前が言ってたのが本当に現実になるとは…。」



ケイ『…やっぱり。』



二人は、見るからに柄の悪そうな連中に周囲を取り囲まれた。



男1「やっぱりな。プライム家長男で間違いねえ。」



男2「おい、金は置いて行けよ?でないと生きては返さねえ。」



アキ「へーい♪これで足りる?」



アキはぬけぬけと自分の所持金を男たちに渡そうとしている。



ケイ『…呆れた。まさか本当にお金を渡すなんて。』



アキ「このくらい大丈夫だって♪それに……、お前を危険に晒したくないんだ。」



そんな理由で、この男は簡単に金を渡すのか、そうケイは思った。



男1「賢明な判断だぜ、金持ちさんよ。だが……」



男がふところからナイフを取り出した。



そのナイフは短く細いが、刺されてしまえば致命傷を与えかねない。



アキ「…ッ!」




































アキの胸に食い込んでいたはずのナイフの先が、ケイの左肩を貫いていた。



刺されたところから、血が糸を引くように流れ出た。



アキの代わりに、ケイが刺された。



ケイ『……。』



アキ「お、まえ…?何して……」



アキは何が起きたのか理解できずに、その場に呆然と立ち尽くしている。無理もない。



すると、ケイは何事もなかったかのように男の襟首を掴んだ。



男1「な…何しやがる!?」












 

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