【 Knight / night 】~主従ファンタジーラブコメ~

章タイトル未設定 /2話 「プライム家」











セラ「そういえば、まだあなたの名前を聞いていなかったわね。教えてくれる?嫌なら、いいんだけど…。」



名前……。



『名前は、……ケイです。』



セラ「あら、可愛い見た目に反して、中性的な名前なのね?」



ケイ『可愛い…?』



セラ「えっ、あ!ああ、何でもないわ!何でも!」



ケイ『はあ…。』



セラ「そ、それじゃあ、私の屋敷に案内するから、早速行きましょ!」



私は、セラ様に手を引かれるまま馬車に乗った。



馬車に乗るのは、人生で生まれて初めての体験だった。







セラ「着いたわ、ふふ。ここが私の家よ。」



大都市から少し離れて静かでのどかな場所にそれはあった。



緑が生い茂る中に、風格と存在感がある屋敷がドンと佇んでいる。



高い塀で覆われ、その中には広大な緑の庭が広がっている。



ケイ『……。』



セラ「あら、まただんまり?ふふ、ケイは黙ってしまう癖があるみたいね。」



(いや、だってこんなもの見せられたら…)



セラ「気に入ってもらえたかしら?」



ケイ『もう、色々と恐れ多いです…。』



セラ「あら、そう?今度は屋敷の中を案内するわね、ついていらっしゃい。」



セラ様に導かれるがまま、私は屋敷の中へと案内された。



玄関の先には、白髪の綺麗な男性が待ち構えていた。



セラ「今帰ったわ、爺や。」



爺や「おかえりなさいませ、セラ様。……と、隣にいらっしゃる可愛らしいお方は?」



セラ「探していたものがついに見つかったわ。」



爺や「おお…!ということはッ!そちらの方が我がプライム家の騎士になられるお方ということですなッ!!」



爺やと呼ばれる男性は、急に大声で叫び出した。



セラ「そうだけど、急に大声を出してはケイがビックリするでしょう?」



爺や「ややっ!申し訳ございません!この爺や、高揚感でつい気持ちも昂り声も上ずり…!」



セラ「言っていることを全く聞いていないわね…。」



爺や「さて、ケイ様と言いましたかな?ワタクシめは、このプライム家に古くからお仕えしている執事にございます。何かあれば、このワタクシめに何なりと…。」



ケイ『お気遣いどうも。爺や、さん…?』



爺や「さん付けは不要でありますッ!爺やと呼び捨てにしてくださいましッ!ケイ様さえよろしければ、ポチとでもお呼びいただいて、」



ケイ『じゃあ……、ポチ。』



爺や「ほあああああああああああああああッッ!!」



セラ「ちょっ爺や!?一体どうしたって言うのよ!?」



爺やは、奇声を発してその場に倒れ込んでしまった。



いや、これはもう失神なんじゃないだろうか…。



爺や「これはこれは…申し訳ございません、〝ポチ〟と呼んでくださった方はケイ様が初めてでして、つい喜びで失神してしまいました…。一度ポチと呼ばれてみたかったのですが、どなたも呼んではくださいませんでしたので……。」



私は、プライム家の執事の裏側を見た……気がした。



セラ「そうそう、執事は爺や一人だけどね、この屋敷にはメイドが三人いるのよ。」



ケイ『そうなんですか。』



セラ「顔合わせが必要だから、呼んでくるわ。」



5分後、セラ様が三人のメイドを連れて戻ってきた。



セラ「この三人がうちのメイドよ。じゃあ、自己紹介してちょうだい。」



エミリー「最年長のエミリーですわ!年は16ですけれど、意外と長い間この屋敷に勤めさせてもらっていますの!」



栗色のウェーブがかった髪を、肩につかないぐらいの位置まで伸ばしている。



身長は私(146cm)より少し高いくらいだと思った。



モニカ「えっと、私はモニカです♪年は17で、趣味は花壇の手入れです~。」



オレンジ色の長い髪を下していて、可愛くて癒されるような印象を持った。



マリエ「最後は、私ですね。私はマリエと申します♪年は25で、もう随分と長い間メイドをしています♪」



綺麗なお姉さんという感じのおっとりした女性だった。



セラ「それじゃあ、私からこの子を紹介するわ。今日からこの屋敷の騎士、護衛として、私が招きいれたケイよ。食べ物に目がないみたいだから、あなたたちの美味しい料理を期待しているわ。」



エミリー「まあ、そうなんですの!ワタクシ、最近お菓子作りにはまっていましてよ!」



モニカ「私も、料理もお菓子も得意なんですよー♪」



マリエ「お任せください、ケイさんに、美味しいお料理をお作りいたしますね♪」



セラ「どうかしら、ケイ?」



ケイ『期待、大…。』










 

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