【 Knight / night 】~主従ファンタジーラブコメ~

章タイトル未設定 /28話「ごめん」

 







 
 

アキ「何か、クロ重症で歩けなそうだし……俺がお姫様抱っこしてやるよ♪」



クロ「気色悪いヤメロ!」



アキ「とか言っちゃって、身動きも取れないほど重傷なくせに……て重ッッ!!」



クロ「触るな!だいたい貴様が非力すぎなんだ!俺よりでかいくせに見掛け倒しもほどがあるだろう!」



アキ「え~~だって~…。」



クロ「もういい……一人で、歩ける…。」



アキ「フラフラしちゃって~全然大丈夫じゃないだろ!」



よろけたクロを、とっさにケイが抱き留めた。



クロ「く…っそ……悪い。」



ケイ『私が運ぶから、いい。』



アキ「ええ!?ケイ、自分よりでかい男のこと運べんの!?」



クロの身体はすぐさまケイに抱きかかえられた。



アキ「嘘だろ…?」



ケイ『アキオより全然軽い。』



クロ「やっぱりクズ野郎が非力なだけではないか。」



アキ「そうだけど!ケイの腕力はおかしいから!」



クロ「それにしても、これがお姫様抱っこというやつか…。」







ケイがクロを抱え、医務室まで運んでいると……



クロ「それはそうと、重くはないか?」



ケイ『…もっと食べた方がいいよ。』



クロ「そうか、分かった。」



アキ「〝あの〟クロが普通に言うことを聞いている……。」







・・・・・・




クロ「……貴様、手際がいいな。」



ケイ『…どうも。』



アキ「本当だな♪どっかでそういう仕事でもやってたのか?」



ケイ『別に。』



クロ「クズ野郎、貴様……まだいたのか。さっさと出ていけ。」



アキ「俺が一緒にいたっていいだろ!?」



クロ「いいから邪魔だ!」




























クロ「……やっとあの鬱陶しいクズ野郎が消えたな。」



アキオはクロによって部屋の外に追い出されていた。



ケイ『うん。』



私はクロの処置を続けていた。



クロ「いッ…!」



処置の途中で、左腕が折れていないか確認すると、彼は痛がった。



ケイ『…ごめん。』



クロ「ああ、いい。これくらい、大丈夫だ……貴様は気にするな。」



ケイ『そうじゃなくて……、』



クロ「?」



ケイ『左腕も、肋骨も…軽くだけど、折れてると思う。……ごmrん。』



クロは思わず驚いて、喉が塞がって何も言うことができなかった。



ケイ『しばらくは、絶対安静が必要だけど……』



クロ「――お前、俺が恐くないのか?」



ケイ『…何で?別に、怖くないけど。』



それは、クロが今までに一度も言われたことのない言葉。



クロが一番欲しかった言葉だった。



クロ「……そうか。」



クロ(この女はきっと、俺の欲しい言葉をくれるヤツだ。)



クロ「俺はこの家に1週間は滞在する。その間、お前の部屋にいさせろ。そして24時間この俺につきっきりで…」



ケイ『…何で私が。他に仕事あるんだけど。』



クロ「ダメなのか?」



ケイ『四六時中、しかも1週間…そんなに長い間、男と一緒にいたくない。』



クロ「……。」



クロ(今まで俺の周りにいる人間は、俺の顔色を窺い、媚び、



ぺこぺこするようなヤツか、恐怖で怯えるヤツ。



そんなヤツしか、いなかった……はずだ。)



バンッ!(扉が開く音)



アキ「クロを1週間もケイの部屋に置いたら何をされるか分からいだろ!?」



ケイ『アキオ…。』



クロ「チッ……だいたい俺は変なことはしない、貴様と違ってな。クズ野郎。」



アキ「まるで俺が変なことしてるみたいな言い方だな!?言っとくけど、まだ何もしてないんだからな!」



クロ「そうか、言われてみれば。貴様のようなチキンカスに何かできるわけがないな。」



アキ「うっわ酷ッ!てか、部屋なんて余るほどあるし!わざわざケイの部屋にしなくてもいいだろ!?」



クロ「言っとくが、俺はこの女に左腕と肋骨を折られている。責任を取ってもらわないと、気が済まない。」



アキ「そんなの!うちの使用人がつきっきりで…ってクロのこと怖がって無理だろうな、きっと……」



クロ「俺を怖がらねえのは唯一…こいつだけだ。だからこいつがいいんだ。」




 
 
 

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