【 Knight / night 】~主従ファンタジーラブコメ~

章タイトル未設定 /3話「不思議な感覚」











セラ「さて、ではメイドの紹介も済んだことだし。爺や、ケイに屋敷の中を案内してあげてちょうだい。」



爺や「かしこまりましたセラ様!では、ケイ様、参りましょうぞ!」



ケイ『…お手柔らかに。』



爺やに案内されるまま、私は屋敷内を見て回るのであった。










マリエ「何だか、騎士様にしてはとても可愛らしい方でしたね♪」



エミリー「屋敷で一番身長が低いこの私より身長が低かったですわ!」



マリエ「幼く見えたけど、何歳くらいなのかなあ?」



メイド3人は知らなかった、本人が人間離れしているほどに強いということを……







私は、爺やに一通り屋敷の中を案内してもらったが、



ケイ『……ここ、どこ。』



長い廊下に、いくつもある部屋、完全に迷子状態になっていた。



山の中に一人遭難したわけでもないのに、何でかそんな気分にさえなるほどだった。



ケイ『……。』



爺や「…ケイ様ああああああああッ!!」



遠くの廊下から爺やが走り寄ってきてくれた。



爺や「ヒィ、ハァ…見失ってしまって申し訳ありませんでしたッ!」



ケイ『息が荒いけど…大丈夫?』



爺や「ふふ、もうけっこうな年ですゆえ!少し走っただけで息切れがするのでございますぅ!」



そういえば、一体いくつなんだろう…



そう思ったが、わざわざ聞くのは気が引けたので私は黙っていた。



爺や「年齢は60代でございますッ!ですが細かい年まではご勘弁を!」



ケイ『…そう。』(以心伝心…?)



ケイ『……もし、剣の稽古や鍛錬ができる場所があれば教えて欲しいのだけど。』



爺や「なるほど、やはりケイ様は騎士でありますゆえ、そういう場所が必要でありますな!承知いたしましたぞッ!」



そう言われ、爺やに連れてこられたのは広大な緑の庭だった。



ケイ『こんなに広いところ、私が使っていいの?』



爺や「ええ、ケイ様さえよろしければ使ってくださいまし!それと、屋敷内にも一応ではありますが、トレーニングルームがございます!」



ケイ『じゃあ、そこはあとでで…この庭で稽古してて、いい?』



爺や「もちろんでございますッ!また何かありましたらお申しつけください!ワタクシは屋敷に戻っておりますゆえ!」



そう言って、爺やは屋敷の中へと戻って行った。



大都市から少ししか離れていないのに、この周辺には屋敷以外の



家は何もなくて、でもその代わり、すぐそばに広大な森と緑がある。



穏やかな風景だ、午後の陽だまりの下、思わず眠くなりそうな。



まるで、赤い太鼓判で「平穏」が約束されているかのようだった。







そんな時、ふとすぐそばにある森の中が気になり始めた。



不思議なことに、森が私を呼んでいるような、その森へ行かなくては



ならないというような気さえしてきた。



いざ森へ入ると、中は青い空気が流れていて気持ちよかった。



豊かな木々の香りと、小鳥のさえずりを風が運んでくる。



何故だかは分からない。「この森には何かある」、と思った。



















?「あ~~!もうどうすんだこれ~!」



それほど距離が離れていない場所から、何やら男性の声がした。



よく通る声で、すっきりと私の耳にまで届いてきた。



声がした方に近づいていき確認すると、男性が樹木の上にいた。



さきほどの台詞からいて、樹木によじ登って降りられなくなったとか、そういうことだろう。



面倒くさい匂いしかしなかったため、知らないふりをして道を引き返そうとした。



ケイ『私は、何も見てない……何も。』



?「ああッ!そこの子ども!今見て見ぬフリしようとしただろ!?」



どうやら面倒くさい人物に捕まってしまったようだ。



ケイ『……子どもじゃないし。』



?「えっ?いや、どう見ても子どもだろ?ていうかッ、困ってる人がいたら助けてやらないとダメなんだからなッ!見て見ぬフリなんて、一番ダメだ!」



何やら説教が始まった。私はというと、他人事のように黙って聞き流していた。



?「つーか…マジで助けて欲しいんだけど……。お前が助けてくれないと、俺一生木の上での生活になっちまう…。」



さきほどの元気はどこへ行ったのやらで、今度は木の上で



項垂れ始めた。怒ったりへこんだり忙しい人だ。











ケイ『じゃあ、飛び降りて。受け止める。』











 

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