【 Knight / night 】~主従ファンタジーラブコメ~

章タイトル未設定 /31話「逆お姫様抱っこ」(※イラスト付き)

 







どこまでも広い廊下を、女騎士は俺を抱きかかえたままひっそりと歩いた。



ケイ『……とりあえず、誰にも見つからずに脱衣所まで来れた。』



クロ「ああ。」



ケイ『…服、自分で脱げそう?』



クロ「……。」



クロは、言いにくそうに顔を少し赤らめている。



ケイ『……じゃあ、私が脱がすから。』



クロ「ああ、すまない……って、ばッ!そこは自分で脱ぐ!」



ケイ『…あ、何も気にしてなかった。』



(この女騎士、正気か!?今下着に手をかけようとしたよな!?)



クロ「少しは気にしろ!というか、後ろを向いていろ!」



ケイ『分かったけど……一人でお着換え、できるの?』



クロ「くそ、馬鹿にするな!……ッ、……終わったぞ。」



(※下にはちゃんとタオルを巻いてあります。)



ケイ『まあ、そりゃ、巻くよね。』



女騎士は俺の下に巻いてあるタオルを見てしれっと言った。



クロ「当たり前だろう!女の前で全裸でいる男があるか!」



ケイ『…別にいいよ、そういうの気にしなくて。女と思ってくれなくていいし。』



(ああ、そうか、ようやく分かったぞ。この女騎士は、男と女という概念がほとんどないのか!)



クロ「…って、お前は少しは気にしろ!」



ケイ『はいはい…。』



そしてまた軽々と俺を抱きかかえた。



そのまま脱衣所を出て、風呂場に連れてこられ、椅子に座らせられた。



ケイ『…じゃあ、上から洗ってく。』



クロ「ああ…。」



シャ――…



ケイ『…髪、サラサラだね。』



クロ「!」



ケイ『最初に会った時から思ってた……黒髪で、サラサラで、あと何か…いい匂いする。』



クロ「そうだろう!髪の手入れは抜かりはないからな!最高級のシャンプーとリンスで毎日念入りに洗っているからな!」



ケイ『急に熱弁…。』



クロ「無理もない。今まではそんなことは、誰も言ってはくれなかったからな。」



ケイ『皆、あなたが怖いから?』



クロ「でも、貴様は怖くはないのだろう?それならいい。自分が気に入っている人物にさえ好かれていれば、それで…」



ケイ『別に好きとは言ってないけども。』



クロ「う……。」









(その頃のアキ…)



アキ「エミリー!ケイを見なかったか?」



エミリー「ケイ様なら見ていませんわねえ…はて。もしやまたケイ様に夜這いですの!?」



アキ「ち、ちげえよ!ただ姿が見えなかったから!それにクロも見当たんねーし!」



エミリー「別に大丈夫じゃないですの?アキ様が心配されたところで何かできるわけでもありませんし~♪」



アキ「うっわ失礼なメイドだな(笑)」







・・・・・・







アキ(本当どこに行っちまったんだ、ケイとクロ…)



その時、脱衣所がある方からその二人が出てきた。



アキ「あ、いたいた!まったくお前ら探したんだぞー!」



クロ「邪魔すんじゃねえクズ野郎。」



アキ「って、お前はまだケイにお姫様抱っこして運んでもらってんのな…。」



クロ「当たり前だ、怪我人だぞ。」



アキ「いいなー…俺もケイに、お姫様抱っこされてえ…。」



ケイ『…別に、いいけど。』



クロ「なッ!?何で快諾している!?ここは俺の特等席だろうが!」



ケイ『うるさいよ…バイオレンスお兄さん。』



クロ「ば…ッ!?」



アキ「はいは~い!じゃあ早速お願いしま~す!」









・・・・・












アキ「な、なんか…いざやってもらうと……」



ケイ『?』



アキ「恥ずかしい…っつーか……」



クロ「何だ、そんなものが恥ずかしいのか?このヘタレめ。」



アキ「へ、ヘタレで悪かったな!ったく……」



ケイ『アキオは、私の抱っこが不満…?』



アキ「ち、違う!違うんだ!」



クロ「おい、さっさと代われ!いつまで怪我人立たせておくつもりだ!」



アキ「はいはい!」



ケイ『……よいしょ。』



(アキとクロ交代)



クロ「ふふん、やっぱりここは俺の特等席だ。」



アキ「よくお姫様抱っこされて恥ずかしくないな~…。」



クロ「お前と違ってヘタレではないからな。」



アキ「さっきからヘタレヘタレうるせえよ!?」






爺や(おや…?あそこにいられるのはアキ様とケイ様ではないですか!)







 
 

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