【 Knight / night 】~主従ファンタジーラブコメ~

章タイトル未設定 /4話「人懐っこい彼、黙る私」












?「……えっ、ハァ!?受け止めるってお前、正気かよ!子どもでしかも女の子が、大の大人を受け止められるわけねえよ!てか俺が怖い!」



ケイ『問題ない。握力は60kgはある。』



?「そんな有り得ないようなことをそれを俺に信じろって!?」



ケイ『うん。』



?「滅茶苦茶だな!?……あ~もう分かったよ!俺の人生ここで終わりでもいい!もしも生きてたらラッキーってことで、もうどうにでもなれッ…!!」



男性は腹を決めたのかそんな台詞を吐き、樹木の上から飛び降りた。










?「……ッ、」



男性はギュッと閉じた目をパチッと見開いた。



?「あれっ…?俺、もしかして生きてる?」



ケイによって受け止められ、抱きかかえられたまま男性はキョトンとしていた。



ケイ『だから言ったじゃん…握力60kgはあるって。』



?「信じらんねえ…お前、本当に子どもか…?」



さっきから子ども子どもと何度も言われ続け、さすがにケイも



頭にきたのか、抱きかかえていた手をパッと離した。



?「って、うおっ!?」



男性は地面に尻からドテッと落ちていった。



?「イッテー…、何だあ?子どもって言われたのが癪にでも触ったのかー?」



ケイ『子どもじゃないし、17だし。』



?「じ、17…?って、ウソだろ?え~っと…俺も17なんだけど…。」



男性はへへ、と軽く笑った。何の冗談かと思った。



?「よいしょっと!…ん?お前、よく見るとちっこいな~?身長何㎝だ?」



男性が立ち上がることで、私たちのあまりにも身長差が激しいことに気付いた。



ケイ『146㎝…。』



?「つーことは、44㎝差だな!俺は190㎝だからさ♪」



確かに、見上げるのも一苦労なほどに背が高かった。



黄緑がかった金髪に、赤い眼鏡から緑色の目をのぞかせている。



温かみがあって、人懐っこそうな目。



?「ん?さっきから俺のこと見てどうした?何かついてるか?」



ケイ『…何もない。』



?「そうか?あ、じゃあお詫びに家まで送ってやるよ♪」



ケイ『その必要はない。というか、ついてこないで。』



?「でも、子どもを一人で帰らせるのって危険だろ?」



ケイ『…さっき、17って言った。』



?「ああ、そうだったな!でも未だに信じられねえ…。」



ケイ『そっちこそ、全く17に見えないんだけど。電柱みたいな背丈して…。』



?「あ~、確かに実年齢より上に見られたことしかねえな!でも、家まで送らせてくれよ。助けてもらったら礼をするのは普通だし、何より、この辺って穏やかに見えるけど、結構魔物も少なくないし、危険なんだ。」



ケイ『魔物なら、一人で倒せるし…問題ない。』



?「えっ!?お前、まさかその見た目でメッチャ強いとか、そんなこと…ないよな?」



ケイ『……さあ。』



?「さあって!でもとにかくッ!お前女の子なんだから、俺が一緒にいて守るのが普通なの!分かったらほら、行くぞ?」



男性はスッと手を差し出してきたので、不思議に思った。



ケイ『……この手は?』



?「いいから、こうすんの!」



男性はそう言って私の手を取った。



ケイ『……。』



身長も190㎝とあるだけに手も大きく、ゴツゴツしていて、硬かった。



森の木漏れ日が射す林道を、彼の腕に引かれながら歩いた。



?「……お前、無口なんだなあ。」



急にそんなことを言われ、私はさらに押し黙ってしまった。



?「…あ、悪りい、急にこんなこと言って!俺の家の人は皆よく喋るからさ、いっつも騒がしいっつーか!」



?「だから、もしお前が俺の家にいたら、きっとビックリするだろうな~って思ってさ。」



人懐っこい笑顔を浮かべる彼の話を、私は黙って聞いていた。



?「あ、そうだッ!」



急に声を張り上げて男性が言う。



?「お前、このまま俺ん家に遊びに来いよ!それなりにもてなしてやるからさ♪」



ケイ『え…。』



?「あ、それとも、このあと予定とかあったか…?」



ケイ『予定…は、特にはないけど。』



?「それじゃあ決まりだなッ。俺ん家すぐそこだし、寄ってけよ♪」



ん……?



「すぐそこ」と聞いて、少し違和感を持った。



ここ周辺は、見たところあの屋敷以外何もなかったはずだが。



そして、私はある可能性を思いついた。



(……まあでも、そんなわけないか)










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