【 Knight / night 】~主従ファンタジーラブコメ~

章タイトル未設定 /49話「別れ」






 

それからと言うもの……



私はアキオにガッチリホールドされたまま眠ってしまっていた。



ケイ『ソファに……アキオと、二人……。』



周りを見渡すと、いたはずのクロのお兄さんがいなかった。



ケイ『…アキオ。』



アキ「Zzz…。」



アキオは、名前を呼んでも目を閉じたまま起きない。



無理やり起こすのも気が引けたので、そのままアキオの部屋を



静かに出て行った。



ギイー…



クロ「……よく眠れたか?」



廊下に出ると、クロのお兄さんが壁にもたれかかり腕組をして



立っていた。



ケイ『いつからそこに?』



クロ「ご、5分前からだ…。」(※本当はもっと待ってた人)



クロ「それはそうと…今日はあれだ。」



ケイ『?』



クロ「今日でもう一週間経った。俺はもう、自分の屋敷に帰らなきゃなんねえ。」



ケイ『そう。』



クロ「お前、もっと何か俺に言うことはないのか?」



ケイ『何か、あったっけ?』



クロ「……お前は、俺がいなくても寂しくないのか。アイツがいれば、それで……満足なのか。」



クロ「くそ…ッ、つくづくムカつく野郎だ…。」(ボソッ)



ケイ『…どうしたの、お兄さん。』



クロ「何でもねえよ。大丈夫だ。」



ケイ『……。』



クロ「何だ、急に黙りこくって。どうした?」



ケイ『いや……寂しくなるね、お兄さんがいなくなったら。』



クロ「…ッ!?」



ケイ『?』



クロ「バカかッ…お前、本当……。」



突然、クロのお兄さんはその場にしゃがんでうつむいた。



クロ「お前にそういうことを言われると……俺は、勘違いしそうになる。」



ケイ『勘違いって…。』



クロ「お前がアイツを好きだと知っていても、俺は……。」



ケイ『…お兄さん?』



クロ「……これを言うと、お前を困らせるだけだ。だから、今は言わねえよ。」



ケイ『…?』



クロ「クズ野郎のやつ…まだ寝ているのか。だらしないやつだ、相変わらず…。」



ケイ『まあ、いつもそうだよね。』



クロ「ここで俺がケイを奪って自分の家のものにするって言ったら、起きて飛んでくるだろうに。」



ケイ『それはな…』



バンッ!



アキオの部屋のドアが勢いよく開いた音がした。



アキ「ケイーーーーッッ!!」



クロ「まさか、本当に来るとはな。」



アキ「んあ?何だクロか、いい朝だな♪」



クロ「貴様……何かと思えば朝から呑気なやつだな。その顔も今は尚更憎いだけだ、へし折ってやりたいくらいにな。」



アキ「えっ…?俺、何かしたっけか?」



クロ「貴様は存在するだけで邪魔な男だ。さっさと消え失せろ!」



ゲシッ!



クロのお兄さんがアキオに朝から盛大な蹴りをかましている。



ケイ『…ナイスキック。』



クロ「ああ。もうコイツを蹴ることができるくらいに怪我も回復した。もうじきしたら自分の屋敷に帰る。」



アキ「え?帰るって何?」



クロ「貴様…忘れたのか?もともと一週間と言ったからな。」



アキ「あ、あー…アレな。そういえばもう一週間経ったのかよ早えーな!つーか本気で忘れてたぜ♪」



ケイ『アキオは三歩歩いたら忘れる、鶏アタマだから。』



アキ「そうそうすぐに忘れちまうんだよなー♪」



クロ「貴様がニワトリだろうがどうでもいいが、一週間世話になった。」



アキ「えっ!?クロッ、お前いつからお礼言えるようになったんだよ!?」



クロ「ひゃっぺん死ねクズ野郎ッ!!」



バキッ‼ドカッ‼



ケイ『バイオレンスなところは健在みたい…。』



アキ「ひい~…イテテ……。まあ、クロもこの一週間で成長したってわけか!俺と過ごしたことで♪」



クロ「貴様など何もしていなかっただろうが。まあ、誰の影響かと聞かれれば、いなくもないが…。」



クロのお兄さんは少し照れくさそうにこちらをチラッと見た。



ケイ『ん…何?』



クロ「き、気にするな…何でもない。」



アキ「ほお~?そういうことか~。クロも隅に置けねえな♪」



クロ「黙れクズ野郎ッ!俺はもう帰るぞ!」



クロのお兄さんはそう言うと、そそくさと廊下を歩いて行った。



アキ「ええ、ちょっと!?もう帰るのか!?」



クロ「貴様の馬鹿さ加減にも付き合ってられん!」



アキ「えー?なんつってんだー?よく聞こえねえけど、まあ元気でなー♪」



ケイ『貴様の馬鹿さ加減にも付き合ってられん…だって。』



アキ「え、マジか(笑)」










 

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