【 Knight / night 】~主従ファンタジーラブコメ~

章タイトル未設定 /64話「ケイがいない!?」











 
(アキside)



ケイの部屋の中を見た瞬間、その光景が、嘘だと思った…



その部屋は、今までケイが住んでいた形跡も全部、跡形もなく綺麗に片づけられていて…



まるで、ケイがそこに存在していなかったかのように



アキ「ウソ、だろ……。」



ロイ「…クソッ、ぜってえ、俺のせいだッ!」



アキ「ロイ…?」



ロイ「本当は昨日の夜、アイツに怒鳴って…!部屋から追い出すような真似した…!俺のせいだろッ!」



アキ「そんなことが…そうか。でも、違うよ、そうじゃないだろ。」



ロイ「違くねえんだよッ!!」



アキ「……。」



ロイは、ケイがいないとこうなるのか…



酷い取り乱し様だな… 一体、どうすれば……



……あ、そうだ!



アキ「その焦り様、まるでケイのことが、心底好き…っていうふうに見えるな♪」



ロイ「……はっ?」



アキ「まあ、落ち着け♪姉貴が何か知ってるみたいだし、ここは姉貴に聞いてみるのが一番だろ♪」



俺はロイの腕を無理やり引っ張り、その場を出ようとした。



ロイ「お、オイッ!?テメエ…!」



アキ「…大丈夫だ。」



ロイ「は…?」



アキ「大丈夫…、お兄ちゃんに任せなさい??」



ロイ「……誰が兄貴だクソノッポ…。」



よし、静かになったな…



ケイのあの部屋の詳細は、姉貴に聞くとしよう



・・・・・・











アキ「姉貴、昼にケイの部屋は開けるなって言ったよな?実は、さっき見ちまったんだ。部屋の中身は、ケイがいた痕跡も跡形もなかったよ。姉貴は、それについて何か知ってるんだろ?」



セラ「…そう、アンタたちは、見てしまったのね。」



ロイ「テメエ、分かってて…!」



姉貴に掴みかかろうとするロイを制した。



アキ「……駄目だ、ロイ。」



ロイ「!チッ…。」



セラ「……。」



アキ「姉貴、教えてくれよ。知ってること、全部…。」



セラ「…私だって、できるなら、そうしたいわ…。でもね、ケイが言ったのよ。言わないで欲しい、と。」



ロイ「!?」



アキ「それ、どういうことなんだ?」



セラ「これを言ってしまったら、私は……ケイに一生憎まれるでしょうね…。分かったわ、全部話すわ。私が知っていること、全て………。」



姉貴、よかった…!でも、憎まれるって、一体……



セラ「昨夜、ケイ……私の部屋を訪ねてきたわ。」



珍しいな…ケイが、姉貴の部屋を…



セラ「話があると…ケイは言ったの。とりあえず部屋の中に通して、お茶でも入れようかと思ったら、急に告げられたわ。」



セラ「〝プライム家の騎士を辞めます〟……って。」



ロイ「!?」



アキ「そうか……なんとなく、そんな気はしてたんだけどな。」



セラ「私が、〝この家が嫌になった?〟って聞いたら……その通りだと、言っていた…。」



アキ「この家が嫌に……か。」



ロイ「それでケイは出て行ったのか!?それはいつだ!?」



セラ「詳しくは分からないけど、昨日、深夜に出て行くと…。」



ロイ「何でそれを、止めなかったんだよッ!」



セラ「さっきも言ったけど、絶対に言わないで欲しいと…ケイに口止めされていたのよ……。それに、私にケイを止める権利、ないもの…。私がこの家に半ば勝手に招き入れて、ケイは……この家が嫌になったと言うのに…。」



ロイ「……もういい。俺、一人で探しに行くかんな。」



セラ「!」



アキ「待て、ロイ。もう、じきに暗くなる。捜索は明日にしよう。その時は、俺も行くから。」



ロイ「んなこと言っても、明日じゃきっと間に合わねえ!」



アキ「ロイ…。」



ロイ「俺は一人ででも行くんだよッ!止める気なら、オメエを殺してでも俺は…ッ!」



ロイ「…ッ!」



こういうことになっちまったヤツを止める方法って、普通なら、殴るか怒鳴るかするんだろうな…



でも、俺にはそんなことできない



俺は、ロイを抱きしめて……



アキ「…お前の、ケイを救いたい気持ちも分かる。でも、これだけは、言わせてくれ。」



ロイ「お、まえ…、」



アキ「ケイは、絶対大丈夫だ。俺の、この身に誓って……ケイとお前を、守ってやるよ。」



ロイ「………。」



すると、ロイは静かになって、憑いていたものが無くなったような顔になった。



アキ「明日、一緒に探しに行こう。今日は明日の準備して早く寝て、明日の朝、出発するぞ。」



ロイ「……おう。」










 

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