【 Knight / night 】~主従ファンタジーラブコメ~

章タイトル未設定 /9話「女性の影の正体」











彼は、女性の影あり疑惑で従者から質問攻めを喰らっていた。



モニカ「気になるので詳しく!」



エミリー「水臭いですわよぅアキ様!」



爺や「老いぼれにもお聞かせ願いたいですなッ!」



マリエ「どうぞ、赤裸々に話してくださいね♪」



アキ「はは、えっと…。」



その彼は引きつった顔で答えに詰まっている様子だ。



助け船を出す気にはなったが、ここで変に接しては怪しまれ兼ねないと思い、遠慮した。



が……



アキ「……。」



彼は私に「助けてくれよ、な?」と言いたげな困った笑顔で見つめてきた。



ケイ『…ご馳走様でした。』



アキ「あ、じゃあ俺もいこっかなー♪」



私が椅子から立ち上がると、彼も私の行動を真似してきた。



セラ「何を言っているのアキ、まだほとんど食べていないじゃない。最後まで食べきってから立ちなさい。」



アキ「え、えー…っと。でも俺!もう腹いっぱいだし?新入りの騎士様ともお話したいっつーかー♪」



エミリー「怪しいですわ…!」



モニカ「うんうん!怪しい匂いがプンプンするよね~♪」



アキ「ばっ!ちげえよ!違うから!」



彼は全力で否定しつつ、私のそばに走り寄ってきた。



アキ「俺は、この騎士様と仲良くなりたいだけ♪」



ケイ『断る。』



爺や「…な、なんと、あのケイ様があれほどハッキリと……。」



セラ「ケ、ケイ……今の発言よかったわよ…。」



エミリー「アキ様、初対面ですのに、ケイ様に早くも嫌われてしまいましたわね!」



モニカ「あ、でもほら!最初嫌われた方が後から良い面が数倍よく見えて、好きになるって言いますし!」



マリエ「前途多難、ですね♪」



アキ「もういいから黙っててくれよ!?」



けなしてみたりフォローしてみたり、この屋敷の従者は彼の扱いが上手い。



アキ「さ、さっきの言葉は聞かなかったことにするから、とりあえず…俺の部屋に行こうぜ?」



セラ「はあッ!?アキ、初対面の女の子を自分の部屋に連れ込むって…どういう神経しているのかしら!?」



それまで落ち着き払っていたセラ様が激しい声色になった。



アキ「いや何もしねえって!」



セラ「しかも、相手がケイとなれば私も黙っていないわよ!その子は、私の騎士なんだからね!」



アキ「え?でもさっき、プライム家の騎士って言ってたよなあ?つーことは、俺の騎士でもあるわけだろ?」



セラ「アンタのじゃないわ!私の騎士よ!」






もはや手に負えないと判断した私は、その場を静かに去ろうとした。



それを、彼は見逃さなかった。



アキ「あッ、待てって!」



とっさに腕を掴まれ、歩みを制された。



アキ「昼間、森で出会ったのも!今、お前が騎士としてここにいるのも!俺は、偶然なんかじゃなく……、意味があることなんだって思う!」



ケイ『……。』



驚きの感情が、表情に出ないように気を付けた。



この男は馬鹿か、と思った。あれほど隠し通してきたものを、



今さっき、盛大に暴露してくれた。終わった、と思った。



爺や「……森…?アキ様、森でケイ様と出会われていたのですか…?」



アキ「あッ……え~っとお…、」



彼は、「うっかり言ってしまった」というような顔で言うが、勘弁してほしい。



爺や「ということは、午後いらしていたお客様は……、」



マリエ「紛れもなく、ケイさんだったということですよね♪」



アキ「うッ……。」



セラ「…アキ、洗いざらい吐いてもらおうじゃない?」



その後のアキの様子は、死刑囚の懺悔のようだった……。













爺や「いやあ、それにしても…驚きですねえ、アキ様の女性の影がケイ様だったとは…。」



エミリー「アキ様、今日入られたばかりのケイ様にすぐに手を出すなんて…最低ですわ…。」



モニカ「いいじゃないですか!主従関係!断然燃えますね!」



マリエ「モニカってば、そういう話になるとすぐに興奮して……、まあ、私は最初からケイさんだと分かっていましたけれど♪」



セラ「マリエ、アンタ分かっててあんなことを…。」



何だか、それぞれの人の話が飛躍しすぎている気がする。



アキ「手なんか出してねえしッ!色々誤解なんだけど!?」



セラ「アキにはもう、弁明の余地はないわ。黙ってお縄につきなさい。」



アキ「俺何も悪いことしてねえし!?何の罪だよ!?」



セラ「私より後に出会っておいて、ちゃっかりケイと親密になった罪よ…。」










 

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