pray of dethのレビュー

生と死

投稿者: 柘榴 2009-12-28 00:53

この作品で語られる生と死の表現方法に引き込まれる様に読みました。

登場人物達が個性的で親近感を持ちつつも、その各人が抱える想いや背景は様々。

そんな中で桜花ちゃんが菊花に抱く想いが友情から恋心にスライドしていくのがとても自然で切なく甘く狂おしい。

重い病を抱えて生きる桜花ちゃんの世界は社会からある意味隔絶された病棟のみ。
そんな彼女の回りにいる人達の暖かさに人の想いっていいな…と感じさせつつ…。

その子達も各自が抱えた闇を持っていて。

人間の生と死、希望と絶望、光と闇。

楽しい会話や場面の隙間に見え隠れする悲痛な現実に胸を掴まれたりと翻弄される自分が居ました。

願わくば。

菊花くんが一緒に逝くのではなく、皆の中での唯一の光の世界の住人として未来を見て欲しかった。

でも、そんな読者である私の思いとは裏腹に桜花ちゃんと共に逝く彼の姿を見て涙が止まりませんでした。

読み終わって暫くの間、物語を反芻している自分が居ました。

圧倒的な力を持つこの作品、作者の伝えたいテーマの神髄を見極めるべく再読するであろうと思います。