V.I.

Catharsis.




「へ…っくしょん!」



っあー、風邪ひいたかも。

ガタンゴトンと揺れる電車内でくしゃみをしたあたしにすかさず視線を向けてきたサラリーマンたちに「すんません」と軽く会釈をして、窓の外の流れる景色を見つめた。


ライトに照らされたお台場の上を通り過ぎて、いつこの電車止まるのだろう…と壁に背を預ける。


支度を終えて最寄り駅に着いたは良いものの、ボーッとして快速に乗ったもんだから何気電車で都心を一周してしまったことに酷く後悔をおぼてた。

どこの駅も仕事を終えたサラリーマンでいっぱいでその煙草と加齢臭の混じった匂いに吐き気が催された。


早く降りたい…。

そんなことを思うや否や、鼻の奥がむず痒い感覚がして再び小さく顔を上げて―――……


「へっ…くしょん!」


その声で再び視線を集めたあたしは次は会釈もせずに剥き出しの肩を摩った。

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