V.I.

Invisible.




『本日未明、××区の河川敷で女性の遺体が発見されました。遺体は頭部が切断されており―――……』


「…………。」



″朝からバラバラ死体があがった″と世の中が騒ぎ立てる中、あたしは昨夜テレビを見ながら寝落ちしてしまい消し忘れた雑音で目を覚ました。


バラバラ死体―――……とは。


胴体、手足に、頭が切断されているものを指すのであって、頭だけない死体なんて″頭部切断遺体″だろ。

そんなのバラバラ死体なんて言わないよーっと、寝起きの頭で訳の分からない思考を一人撒き散らすあたしはベッドから起き上がって頭を掻いた。



―――……不吉な朝だ。

そう思ってしまうのはそのニュースで起きてしまったからなのからカーテンの隙間から見える黒い雲に覆われた空がそこにあるからなのか―――……それとも、そう思わせる未来がすぐそこまでやってきているからなのか。



「……後者、か。」


ポツリ、と漏れた言葉は重力よりも重い何かで今日のあたしを奈落の底へと叩き落とした。


―――……熱く蠢くそれがあたしの勘を働かせる。

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