V.I.






思えばあの日、あたしはどうして駅のコンビニじゃなくて繁華街のコンビニに足を運んでいた。

近所のコンビニで無いのは仕方がない。電車に乗って気付いたら3駅過ぎていたのも仕方がない。でも、駅に24時間営業のコンビニがあるのに、どうしてここまで来たのだろう?


今更ながら、自分の中でそんな疑問が膨らんでいく。



気付いたらあのコンビニに行っていて、そしてタイミング悪くあの事件に巻き込まれた。


もしかしたらあたしは、偶然巻き込まれたんじゃなくて必然的に巻き込まれたのかもしれない。



「……まさか、ね。」


運命じゃなく、本当は台本通り──…そんなくだらないことを考えては鼻で笑い、あたしは頬杖をつく。



「なんか言った?」

「凌駕煩い。」

「はぁっ!? なんそれ酷くね!? つーか一応俺の方が歳上なんだから、敬えよ!」

「…………。」

「無視!」

「ちゃんと前見てよ。」



ギュッと腕を握った。

稲妻のように走る痛みの奥で生まれる蠢きは、突然現れて突然消えていく。


苦し紛れに吐いた息は、そのまま21時の夜空へと消えて行った。


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