絶望人生~本当の幸せ~【完】
最終章 /本当の幸せ
瞼を開けて最初に視界に飛び込んだのは、謎の少女だった。
わたしは咄嗟に自分の体を触った。
背中にも、腹にも傷がない。
あれ? 胸の膨らみもなくなっている。
まさか、元の自分に戻った?
しかし、ここはどこだろ?
あの世?
しかし、辺りを見回すと、見覚えのある風景だった。
―――ここは階段だ!
引っ越し作業を行うビルの階段の上にわたしは立っているんだ。
あれ?
さっきまで小杉勇子として生きていた世界は何だったんだろ?
もしかして、妄想の世界? それとも夢?
『いいえ、夢ではないわ』
突然、口を開いた少女を青い人参を出されたうさぎのような目で見つめる。
「え?」
この少女は人間の心が読めるのか?
そして、再び少女は喋り出す。
『あなたが食べたのは、やり直しクッキーよ。
あれを食べた人間は性別を変えて自分の存在しない世界で人生をやり直すことができるわ。
年齢はその人の能力によって決められる』
「自分の存在しない世界?」
『ええ、世界にはね、いろんな世界が存在するの。あなたが存在する世界もあれば、存在しない世界もある』
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