絶望人生~本当の幸せ~【完】

6章 /崩壊する世界

「ねぇ、おじさん。わたしを買ってくれない?」


あれから一カ月が過ぎた4月も下旬を向かえる頃、わたしの売り活動は日常茶飯になっていた。


街中を歩けば、ほとんど声を掛けられるがたまに今日みたいに客が見付からない時はわたしから声を掛ける。

いかにも彼女がいそうもないような男性をターゲットに声を掛ける。

断る客なんてほとんどいない。


金額はまず客が出せそうな額を訊いてから1、2万上乗せさせる。


『い、いいけど、いくら?』


わたしは可愛らしい笑顔で微笑んで


「おじさんいくら出せる?」


『5万くらいなら……』


「6万でどう?」


『分かった6万でいいよ。ちょっと銀行寄ってもいい?』


「うん、一緒についていくね」


そう言うとわたしは男性の手をつなぎ一緒に歩く。周りの視線など気にしない。



性行為を行う場所は人気(ひとけ)のない古い小屋。そう、ここはイブの夜に男性の集団に犯された場所。


しかし、今はわたしのホテル代わりになっている。結構な距離はあるが客は小屋までの移動を了承してくれる。性欲に飢えたオオカミ達はわたしと性行為できることがよほど嬉しいみたいだ。


小屋を選んだ理由は警察にばれない為。ホテルは危険に思えた。


わたしも売りで稼ぐにあたっていろいろ安全策を考えている。


学校が終わり、私服に着替えてから街へ出る。


派手な服装でできるだけ10代にばれないようにする。


両親には友達の店でアルバイトしていると嘘をついている。


両親は完全に信じ込んでいる。


兄も『最近お前、大人ッぽくなったな』と絶賛している。


まさか、わたしが売りをしているなんて想像もしていないだろう。



わたしは本当の幸せに気付くことができた。

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