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赤い口紅

赤い口紅

かのこ
恋愛 27ページ(完結) 28788字 更新日 2019/12/24 読者 2240人 公開 0 0

3本目の映像を見た時、自分の目を疑って、それからやり場のないモヤモヤした感情に支配された。蜜の隣で笑い、彼女の唇に触れてそれを奪った男は、健二だった。
女の顔をした蜜の瞳に映るのが自分でない事に戸惑う。親友であるはずの健二への嫉妬心。何よりも、パートナーである自分がそこに選ばれなかったことに対する失望。


ダンス・ボーカルグループMiraclesのパフォーマー【槙野 輝マキノ テル

男装のままスカウトされデビューしてしまった、輝の恋人【神田 蜜カンダ ミツ

本人達の迷いとは裏腹に、現実は進んで行く。


ーー

彼女は曖昧な自我の中で、男として社会に出ることを選んだ。だけど、今のままの自分を肯定することが出来ないだけだ。一度、誰かに否定されてしまったら、誰だって少しは揺らぐだろう。相手が親しい関係なら、尚更だ。

ーー

いつだって底抜けに優しい恋人の顔を思い浮かべる。自分の身に起こったことは、言わなくてもきっと、誰かの口から伝わってしまうのだろう。知られたくない。だけれど、いつもの調子で大丈夫と言って欲しい。

ーー

テンションと自己肯定感は高めていかないと。

ーー

「輝は、ミッちゃんが何を着るか知ってる?」
健二が意味深な視線をこちらに投げる。
「知らない。」
即答すると、健二はため息とともに言葉をこぼした。
「だよなぁ……お前、知ってたら、そんな顔してここに居ないもん。」


僕が蜜を好きになったのは、きっと蜜が女の子だったからだ。でも、今、僕は蜜をひとりの人間として愛している。蜜の性別がどうであれ、蜜が自分を見失わないでいるのなら、それでいいと思う。


青い魚】から2年、1本の赤い口紅が巻き起こした、愛と青春と性別迷子の日々。


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