病んでるとグレーてる6【完】

目覚めた彼女




ピッピッとリズムのいい音が聞こえる。

パチパチと乾いた音が弾ける。


「んっ……」

身体が酷く重い。
瞼を開けたいのになかなか開かない。

あたしは今何処に居る?

確認したいのに、目が開かないから何処に居るのか把握出来ないけど……多分病院っぽい。

屋上から落ちたんだから無傷なわけがない。

身体のあちらこちらが痛いし、息をするだけで内臓が燃えるように熱い。

「……うっ」

捩るように身体を動かすが重くて動かない。

だけどあたしの微動に「柚真?」と声が掛けられた。

ピクリと反応する指先は誰かに握られているのか温かい。

「柚真」

何度も呼びかける声にあたしは聴覚を研ぎ澄まし、ゆっくりと重たい瞼を開けた。

そこに映る1人の男に呼吸が殺された。

「れ……じ」

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