病んでるとグレーてる6【完】

波乱の夏

セミが鳴く。

子供が泣き喚くように「うわーん」と鳴く。

暑い。溶けそう。

「永輝、次」

「あぁ」

冷房の効かない親父の部屋で仕事とは無関係の――

「うわ、角取られた」

オセロをやっている。

月末の集金も済んだ後だから暇らしい。

この暑さに会合する気力もないのか、それでも来月に花梨の誕生日パーティーには出席すると気合を入れてた。

とにかく暑い。
7月末なのに暑すぎる。

「次」

「……もう置く場所がない」

黒く埋め尽くされた板状。
親父の白は真ん中にポツポツとあるだけ。

弱い。
弱すぎる。

「あっちゃー」

適当に置くからそうなるんだ、とかれこれ10回目の勝負になるのに学習しない親父に呆れる。


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