病んでるとグレーてる6【完】

ブラック王子


「そう、生きてるんだ」

リュウセイの言葉に気を張ってた糸が切れる。

ただ「生きてる」とだけしか言わなかったリュウセイにそれ以上のことは聞かなかった。

生きていてくれるだけで十分だったから、それが希望となる。

どこまでも甘えてはいられない。
大事なモノは自分の手で掴み取る。

だって、

「最後まで守るのが本当の男でしょ?」

そう、守ると決めたんだから最後まで守り抜くのが男の役目。

「柚真が生きてることはオマエの胸の中だけに仕舞え。他の人間に言うなよ?」

「分かってますよ。それに俺が生きてると言っても多分アイツ等のことだから「当たり前だろ」とか言うはずです」

「だろうな、誰かが諦めなければ皆も諦めることをやめるもんだ。一致団結すりゃあ心強いだろ?」

「えぇ、集団心理ですね」

「そうだ。それに……オマエ等がやったこと、悪いとは言わないがなんとかした方がいい」

「永輝ですか?ご存知だったんですね」

「まぁ、風の噂でな」

煙草を消して誤魔化すリュウセイに俺は「そうですか」と含んだ言い回しをした。

どこで知ったのか。
内密だった記憶のこと、誰が漏らしたか調べる必要がある……けどそれどころじゃないね。

まずは記憶を戻して、前に進もう。

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